2007年04月01日

イラン大統領、英に領海侵犯の謝罪求める

イラン大統領、英政府に謝罪要求  3月30日、イランのアハマディネジャド大統領、英兵がイラン領海内に違法に侵入したとして、英政府に謝罪要求。2月撮影(2007年 ロイター/Morteza Nikoubazl)(ロイター)

 【ドバイ=加賀谷和樹】イランのアハマディネジャド大統領は31日の地方遊説で、英兵15人の拘束について、英政府に領海侵犯の事実を認め謝罪するよう求めた。イラン外務省は同日の声明でこの事件を巡る英政府の覚書を受け取ったと確認、「検討できるいくつかの点を含んでいる」と指摘した。

 1日のイラン国営テレビによると、モッタキ外相は「英側が態度を改めるのを待つ」と述べ、問題解決のために英政府の謝罪が必要と示唆した。

 大統領は遊説で「英政府はイランに謝らないばかりか、貸しがあるように振る舞っている。これは法的かつ論理的な対応ではない」と英側を非難した。英政府はイラン国営テレビによる拘束英兵の映像公開を批判しているが、イラン外務省は放映の理由を「英兵の家族を安心させるため」と説明している。

NIKKEI NET 2007/04/01 (20:18)
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2007年03月31日

天声人語

 毎年ながら、こんなに白に近いものだったかと思いながら見上げる。しかし白そのものではもちろんなく、花は、ほんのりと薄紅に染まって風にゆれている。

 東京あたりではソメイヨシノが満開になった。新1年生を待つ無人の小学校の校庭で、あるいは思いがけない通りの角で、春本番を告げている。〈さまざまのこと思ひ出す桜かな〉。いつもながら、分かりやすすぎて憎いような、芭蕉の一句が浮かぶ。せかされるように、花びらを散らし始めた桜もある。

 3月の末日、明日からは新しい職場や学校に移る人も多いだろう。列島の至るところに、これまでの住まいを離れる多くの人と、それを見守る更に多くの人たちがいる。

 今年、「団塊」の世代の先頭の一団が還暦を迎えた。2007年問題などといわれて久しい。確かに、人口ピラミッドに特別大きな出っ張りを描きながら年を重ねてきた面々がまとまって去るのは、ことによれば大事(おおごと)かもしれない。

 しかし考えてみれば、団塊などと一塊にしてみたところで、中身は一人一人別々だ。継承に悩む職場がある一方、重しが消えて風通しがよくなるところもあるのではないか。この団塊に限らず、人は人を、その属する集団や出身などの塊で見がちだが、個別のばらつきの方がはるかに大きい。それを、改めて知る春なのかもしれない。

 唐の詩人が詠んでいる。〈年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず〉。私事で恐縮ながら筆者も今年が還暦。ご叱正(しっせい)、ご愛読に深謝しつつ、切りのいいこの年度末で、次と代わります。

     ◇

 明日から「天声人語」の筆者が交代します。04年4月から担当してきた高橋郁男論説委員に代わり、福島申二、冨永格(ただし)両論説委員が執筆します。

 福島記者は主に社会部で多様なテーマの取材にあたり、編集委員も務めました。02年から3年間はニューヨーク特派員としてイラク戦争前後の国連や米大統領選を報道しました。50歳。

 冨永記者は経済部と外報部の取材経験が長く、2度のブリュッセル勤務で欧州統合の最前線を伝えました。欧州には通算10年滞在し、04年から今年1月まではパリ支局長でした。50歳。
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悪い方へ向かっている分野、教育がトップ・内閣府世論調査

 内閣府が31日に発表した「社会意識に関する世論調査」で、「日本が悪い方向に向かっている分野」(複数回答)は「教育」が36.1%で第1位になった。前年調査に比べ12.3ポイント上がり、設問が設けられた1998年以降最も高かった。いじめを理由にした自殺が社会問題化したのに加え、「学力低下」など教育全般への不安が映し出された格好だ。

 「医療・福祉」(31.9%)や、国会で論争となっている「地域格差」(26.5%)も過去最高を記録。小泉純一郎前首相の靖国神社参拝などで悪化した日中、日韓関係に改善の兆しが見えることを反映して、「外交」は8.9ポイント低下し22.4%だった。

 「良い方向に向かっている分野」(複数回答)は「科学技術」(19.7%)、「通信・運輸」(18.9%)が上位を占めた。「景気」を挙げた人は4.8ポイント低下の12.1%にとどまった。

 「国の政策に民意が反映されているか」の質問に「反映されていない」とした人が75.3%と4分の3にのぼり、政治への不満が高まっていることがうかがえる。

NIKKEI NET 2007/03/31 (21:41)
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拘束英兵を起訴の可能性、イラン大使が示唆

イランに拘束中の英兵3人の映像 イランのアラビア語衛星テレビ局アルアラムのインタビューに応じる英兵3人の映像(30日放映)。一人の兵士は「われわれは許可なくイランの領海に入った。深く謝罪する」などと語った(イラン)(AFP=時事)

 【ドバイ=加賀谷和樹】イラン国営通信によると、同国のアンサリ駐ロシア大使は30日夜、ロシアのテレビ局に対し、イラン当局が拘束した英兵15人について「すでに法的手続きが始まった」と述べ、イラン領海を侵犯した違法行為で起訴される可能性を示唆した。大使は「罪が立証されれば、彼らは処罰される」と指摘した。

 欧州連合(EU)は30日の外相会合でイランに英兵士15人の即時解放を要求したが、イランは「英政府は英兵士の領海侵犯の事実を認め謝罪すべきだ」との立場を崩しておらず、対立はさらに長期化する見通しだ。

NIKKEI NET 2007/03/31 (21:26)
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陸自ヘリの墜落、乗員4人死亡

陸自輸送ヘリが墜落 30日午後11時40分ごろ、陸上自衛隊の輸送ヘリコプター(写真は同型機)が鹿児島県の徳之島山中に墜落。救難機が31日朝に乗員4人全員を発見したが、2人の死亡が確認された(時事通信社)

 救急患者を乗せるために向かった鹿児島県・徳之島付近で30日夜、消息を絶った陸上自衛隊第101飛行隊(那覇)の大型輸送用ヘリコプターCH47は31日朝、徳之島北部の天城岳(533メートル)山頂付近に墜落し、大破、炎上した状態で見つかった。鹿児島県警によると、現場から乗員4人を発見、全員の死亡を確認した。

 福岡航空測候所(福岡市)によると、ヘリの目的地で墜落現場に近い徳之島空港では30日夜、濃霧で視界が約200メートルしかなく、雲が高度約30メートルまで垂れ込めるなど天候が悪かった。防衛省陸上幕僚監部は事故調査委員会のメンバー5人を現地に派遣した。搭乗していたのは機長の建村善知三佐(54)、副操縦士の坂口弘一・一1尉(53)、整備員の岩永浩一・二曹(42)と藤永真司二曹(33)の4人。〔共同〕

NIKKEI NET 2007/03/31 (15:40)
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2007年03月30日

天声人語

 安倍首相が掲げている政治目標に「戦後レジームからの船出」がある。レジームという言葉は、フランス革命で倒されたアンシャン・レジーム(旧体制)を連想させる。この旧体制は絶対君主制で、国民は極めて抑圧されていた。

 安倍首相が「船出」に挙げるのは、改憲して新しい憲法を制定することだ。その憲法を改める手続きを定める国民投票法案が成立する公算が大きくなっているという。

 手続きを決めるものとはいえ、ことは国の最高法規にかかわる。発足から半年の安倍政権の軌跡をみると、これだけ重みのある法案をきちんと取り扱えるのかと不安になる。

 この政権に向けられた疑念に「政治とカネ」の問題がある。それを象徴するのが松岡農水相の光熱水費疑惑だ。無料のはずの議員会館の光熱水費を5年で3000万円近くも計上していた。説明を拒む農水相が閣僚や議員としての適性に欠けるのは明らかだが、それをかばい続ける首相の適性もまた問われている。国会での多数の力に寄りかかっているのだろうか。

 フランス革命の少し後に生まれ、「アンシャン・レジームと革命」を著した歴史家で政治家のトクヴィルは「多数者の専制」が少数者を脅かす危険を警告した。「どんな政府であれ、力のあるところには卑しい根性が近づき、権力には追従が付きものであると思う」(『アメリカのデモクラシー』岩波文庫・松本礼二訳)。

 民主政治の国では、多数派が優位に立つ。しかし、数に物を言わせて「船出」を強行するとしたら、国が沈むことにもなりかねない。
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ミサイル防衛が始動、首都圏防衛にPAC3配備

ミサイル防衛が始動、首都圏防衛にPAC3配備 パトリオットミサイルの訓練弾を積んだ車両=30日、航空自衛隊入間基地

 防衛省は30日未明、飛来する敵ミサイルなどを地上から迎撃する地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)を航空自衛隊入間基地(埼玉県)に配備した。自衛隊への配備は初めてで、日本のミサイル防衛(MD)システムが動き出した。まずは首都圏に整備し、順次、全国各地に拡大。イージス艦へのスタンダード・ミサイル(SM3)搭載と合わせ、多層的な防衛体制を整える。

 この日搬入したのは、迎撃ミサイル発射装置のほか(1)レーダー装置(2)射撃管制装置(3)情報調整装置(4)無線中継装置――などの地上システム。基地正門前で反対派が抗議する中での作業となった。ミサイルは米国から購入し、事前に運び込んでいた。

 MDシステムは敵の弾道ミサイルを探知し、着弾前に迎撃する構想。大気圏外を飛ぶミサイルを、まず洋上配備のイージス艦に搭載したSM3で迎撃し、撃ち損じた場合に地上からPAC3で撃墜する二段構えだ。

NIKKEI NET 2007/03/30 (12:06)
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暖か陽気で夜桜満喫・東京、満開1番乗り

暖か陽気で夜桜満喫・東京、満開1番乗り 満開の桜をボートから楽しむ人たち=29日、東京・千鳥ヶ淵

 東京都内で日中の気温が5月下旬並みとなった29日夜、絶好の花見日和を迎えた桜の名所では、勤め帰りの会社員らが咲き誇る夜桜を楽しんだ。気象庁は同日、東京の桜(ソメイヨシノ)の満開を宣言。昨年より1日遅いが、開花に続いて全国で1番乗りとなった。

 東北地方を通過した低気圧に向かって南から暖かい風が流れ込んだ影響で、東京都心部の最高気温は24.1度まで上昇。東京・上野公園では約670本のソメイヨシノは一気に見ごろになり、白く浮かび上がる桜の花に目を細め、乾杯する光景が見られた。

NIKKEI NET 2007/03/30 (00:21)
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2007年03月29日

天声人語

 一休さんのような少年僧が、暗い道に張られた縄に足をとられた。地面にしたたかに顔を打ち付け、血が噴き出す。しかし、少年は泣くこともなく寺に帰ってゆく。

 「衣を着たときは、たとえ子どもでも、お坊さんなのだから、喧嘩(けんか)をしてはいけません」。少年は、縄を仕掛けた連中が近くに潜んでいるのを感じたが、この母の教えを守った。母は、血だらけで帰ってきた彼の手当てをし、抱きしめて言った。「よく辛抱したね」

 80歳で亡くなった植木等さんが『夢を食いつづけた男』(朝日文庫)に書いた、幼い頃に受けた「いじめ」と母の記憶だ。住職だった父は、部落解放運動の闘士でもあった。治安維持法違反で入獄したり、各地の社会運動に出かけたりして寺に居ないため、植木さんが檀家(だんか)回りをせざるをえなかった。

 父・徹誠さんは後年、「スーダラ節」の「わかっちゃいるけどやめられない」のくだりについて、「親鸞の教えに通じるものがある」と言ったという。「人間の弱さを言い当てている」

 おだてられてその気になったり、お呼びでないところに出てしまったり、あげくには、ハイそれまでよになってしまったり。人の弱さと浮世の切なさとを、底抜けの明るさで歌い、演じた。

 「無責任男」として有名になったが、根は誠実で、思慮深い人だったという。いわば、世の中の「無責任感」を一身に背負うという責任感が、あの笑顔を支えていたのではないか。耳に残る数々の「植木節」は、戦後の昭和という時を共にする多くの人の道連れであり、応援歌でもあった。
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2007年03月28日

天声人語

 最近の言葉から。スポーツライターの乙武洋匡さんが4月から、東京の小学校の教壇に立つ。「みんな違っていてもいいんだという『五体不満足』のメッセージを伝えたい」

 定期的に痰(たん)の吸引が必要なことを理由に保育園への入園を一時拒否された東京都東大和市の青木鈴花ちゃんが保育園を卒園、1年生になる。「いっぱいお友達を作ってがんばります。休み時間におままごとをして遊ぶのが楽しみ」

 「彼が解放されない限り、ぼくは救われない。解放されたとしても、彼の一生をつぶしたことになると思っている」。彼とは、66年に静岡県で一家4人を殺したとして刑が確定し、再審を求めている袴田巌死刑囚。一審担当の元裁判官、熊本典道さんが述べた。無罪を主張したが、合議で死刑に決まったという。

 「財政に強い議会」作りを進めてきたという北海道栗山町の議長が語る。「議員が財政に強くなると、議会の監視力が高まる。カネがないと分かっていれば『あれやれ、これ作れ』なんて言う議員はいなくなる」

 フィギュアスケートの安藤美姫さんが世界選手権を制した。「トリノ五輪の後つらい時期があったが、みんなに励ましの言葉をもらって乗り越えることができた」

 本紙で来月始まる男性の投稿欄「男のひといき」に、作家・北村薫さんからエールが届いた。「大切なものって、日常に転がってたりしますよね。猫の爪(つめ)が刺さった瞬間の痛みや、子どもと道を歩いている時の幸せ、夕焼けのきれいさ。人間の心に食い入ってくるものが、日常の中にはあります」
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